Twitter、自由度の高さと匿名性が議員には苦手?

Twitter Facebook
主な利用者層 若者、学生、主婦など一般の人 40代、50代、
男性多め、事業者もしくは社会的な活動をしている人
匿名性 匿名 実名
求められる投稿 何でも良い 写真があって、トピック性、プライベート感
誹謗中傷 多い 少ない

SNSを利用するとしたら現在FacebookかTwitter以外に議員が取り組むべきものはありません。Facebookは実名制であるところから、守らなくては行けない事、マナー的なことが多くあります。メッセージには基本的に返信が必要ですし、議員同士の非公開グループなどに参加した場合は内容を都度チェックする必要もあるでしょう。投稿内容に関しても、あまりにも個人的すぎるつぶやき、ぼやきは適切ではありません。他の人から見て「いいね」し易い、ある程度のトピック性のあるものを意識して投稿する必要があります。Facebookは相手のタイムラインにどう見えているか?を考える必要があります。
実際の友人関係が基本にあるため「いやなら見なければ良い」というわけにはいかないのが特徴です。

一方、Twitterの方はもっと敷居が低く、自由な使い方が許されています。投稿内容を「特別なイベント仕立て」にする必要もありません。また企業、商店が商品情報をつぶやくだけのアカウントも多数あります。それに準じて議員が自分のホームページなどの更新情報を流すだけのような利用法も可能です。
こちらは「いやならフォローしなければよい」という言い分が通り易いメディアです。

しかし、Facebookは現実の延長として、ネットに不慣れでもイメージが掴み易い反面、この匿名前提のTwitterの自由さが逆に苦手としている議員が多くいると感じました。議員からよく聞く問題点や注意点をまとめてみました。

誹謗中傷が多い

Twitterを利用する事とインターネットを利用することは同じではありません。一般の方は各自が思ったことを勝手につぶやくことが特徴のTwitter社のサービスを利用して「楽しんで」いるのです。娯楽の要素が多い分、本質的にその利用は無責任さを併せ持ちます。Twitterは筋道立てた意見を交換し合う事が目的のサービスではありません。犯罪性のあるものは勿論、相当の刑罰が課せられますが、メンションで寄せられる様々な人の発言に情報の正確さや根拠などを求めることは無意味です。礼儀がなってない、あるいはデマを流されたと立腹してもしょうがいない面があります。しかし一方で、議員本人の発言には言葉遣い、情報の正確さ、根拠となるものが常に求められます。

これはすべて、身分を明かした議員としての利用によるもので、著名人と同様に「一対多」の利用となります。一般の方はツイッターのサービス範囲内でいわば「遊んでいる」のですが、議員はツイッターを超えて、インターネットという公的な場所で発言しているという感覚が必要です。双方向メディアとはいえ「一対一」ではないことを念頭におきましょう。

私(議員)は実名で発言してるのに、名前を伏せたやつが意見してくるのが気に入らない。

このような議員の発言をしばしば聞きます。議論するには相手がどのような人物かわからないと噛み合ない場合がありますので、これは正しい意見ではあるのですが、自分が匿名であれこれつぶやくサービスを利用しているということを念頭にいれましょう。

たまたま議員が自分の仕事に利用するという自身の都合で実名にしているだけです。リプライ、メンション(@ツイート)で「意見してくる」のはTwitterの通常の利用方法です。頻度や内容に犯罪性が無い限り、とやかく言う事はできません。気分を害する表現、返答する価値の無いものなど多々あると思いますが、無視する力をつけるということも今後ともネット利用には欠かせません。

議員としての利用は、相手にどのような返答をしても、勝ち負けでいうところの勝ちにはなりません。Twitterでの炎上の多くは「感情的に返答してしまった」事に由来するものが殆どです。相手を論破したくなったら、一晩おいてください。

フォロワーは自分の支持者であるべきだ

「自分は議員なのだから、フォローは吟味した相手、フォロワーがフォローの数を大きく上回っていないと恥ずかしい。フォロワーは自分の支持者としてじっくり関係性を構築したい」このような感じで、フォロー数十人、フォロワー300人ぐらいという形で利用している議員が多くいます。考え方としては間違いではありませんが、吟味した結果のフォロワーが300人ぐらいで停滞しているのなら、Twitterの利用は意味がないと言えます。twitterは基本公開コンテンツであるので、支持者、支援者に絞る必要性はありません。ある程度有効なアカウントであれば、敵や味方、個人、法人など問わず数を増やす必要があります。だだし、相互フォロワー運動アカウントや商材販売アカウント等は避けましょう。量が多すぎて逆に情報配信に支障をきたす場合があります。
Facebookは友人のつながりを吟味する必要がありますが、Twitterはもっと大雑把に行くのが正しい利用法です。

業者のフォロワー増加サービス、アカウントの売買、つぶやきの自動化サービスなどの利用は避けるのが無難

すべてが、ダメというわけではありません。有益なものもあります。ツールを効果的に使用して適切なフォロワーを増やす方法などはあります。あまりにも無意味なアカウントを多数抱えることの弊害もあります。TwitterにDM(ダイレクトメッセージ)という直接フォロワーにメッセージを送信できる機能があります。一度に送れる数は500件と制限があるのですが、もしあたなのアカウントのフォロワーが数千〜1万程度であれば、ツールなどを利用して、このDMを情報発信の手段として利用できます。しかし相互フォロワーサービスなどで、数十万も(あまり意味の無い)アカウントを抱えてしまうと、このような利用は事実上不可能です。

またメンション等、Twitterの様々な機能が量が多すぎて機能しない状態になるでしょう。あまり意味の無いアカウントを多数抱えてしまうと、たまにくる地域住民の有益なメンションなどにも気がつく事ができませんし、Twitterが公式に提供しているTwitter analiticsなどを利用して、どのつぶやきが反響があるのかなども正確に知る事が出来なくなってしまいます。地方議員には程よいフォロワー数があると言えます。

また自動つぶやきなどを”併用”するのはかまいませんが、それが主になってしまうと「反感」を買ってしまうケースがあります。

Twitterを情報源として活用されている方は数多くいます。議員がこれからネットでの情報配信に力を入れると言う事は基本的に、このような自分よりネットスキルの高い方にコンテンツを配信していくことになります。自動ツールなどによる小手先のテクニックによるつぶやきが功をなすことはほぼあり得ません。Twitterの基本機能の検索などを活用している方も多くいる様ですが、ライブサーチなどにこのような「ゴミツイート」などが多く引っかかる状態は印象が悪くなるだけです。

品川区議会

※〇〇区議会など定型ワードを含めたつぶやきを機械的に生成すると、本当に情報収集をしてる人には「ゴミ」となります。

アカウントの売買もTwitterのガイドラインからすると禁止事項ですし、そもそも本当に有効なアカウントを抱えたものは売買されていません。売買されているものはゴミアカウントだと考えて間違いありません。

以上の様なTwitterの雰囲気さえ理解すれば、積極的にネットでの支持層を拡大するという用途には一番親和性が高いTwitterです。SNSの活用としてFacebookと合わせて是非ご検討ください。

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