通常の議員ページのアクセスは
- SNSによるシェアからの流入
- 記事に含まれる検索キーワードからの流入
- 本人の氏名検索
この3つです。
ただし、議員ページに通常の商品サイトなどとことなり、「選挙」という事情があります。公示期間中は直接の名前検索からの流入が圧倒的に多くなります。立て看板のポスター、そして、選管が配布する、選挙公報配布直後からどの議員のアクセスも伸びます。特に後者の選挙公報を手に取ってみる→ネットで検索してみるという流れができつつあるのではないかと思います。
本来の政務活動費などの観点から、議員のホームページが選挙にふれることはグレーゾーンでしたが、ネット選挙解禁以後はむしろweb配信により、コストを削減できるという方針のもと、どの候補も大々的にホームページでの宣伝活動を行なっている様です。
この告示期間中だけのアクセスはどんなに無名の地方議員候補者でも一日100程度はあるのではないでしょうか?ただ作って、最低限名前の検索でトップになる様にしておけば、トータルではユニークなユーザー1000以上は地域からのアクセスが見込めるはずです。演説で駅前に50人集めるのも結構大変です。自分の名前を覚えて(少なくても検索した時は。。)、能動的に検索してくれたユーザーというのは駅頭、折り込みなどからくる有権者とも異なった、ネット時代の独特の層と言えます。
この場合議員の活動地域はKotoだが、スマートフォンなどの4GアクセスポイントはShinjukuになることを理解していれば、相当数のアクセスが「地元」からだという事がわかる。
紙はピンポイントで、ネットは全世界に広くというイメージがありますが、名前を検索して訪問するという公示後、投票日までの特殊事情を考えると、むしろ紙よりピンポイントな宣伝媒体であるとも言えます。
このように、普段のアクセスと選挙戦後のアクセスの性質が異なる以上、ホームページを「そのまま」にしておくのはネットに積極的とは言えません。
また、この選挙期間中の訪問は滞在時間が非常に短く、またサイト内の他のコンテンツをクリックして見てくれないということも、アクセス解析の状況からわかります。トップページだけを次々と候補者を比較して見るという様な状況が想像されます。
ここはインパクト重視の選挙用ページを作成するのが選挙対策として必要です。このとき大事なのが、
- 別サイト(別ドメイン)にしてはいけない
- 目的のページはトップページなくてはいけない
よく、選挙用に別サイトを構築する候補がいます。選挙公報にそのURLを載せれば良いとお考えでしょうが、利用者は名前で検索します。ドメインが検索結果で上位に表示されるにはそれなりに時間がかかります。対策は必ず自分の長く使用しているドメインで行ないましょう。
トップにバナーを作って、「実積はこちら」などとして、特設ページに飛ばそうとしている方も見受けられますが、こちらもアクセス解析から、選挙期間中のアクセスはまず、他ページには遷移してもらえない、トップページを暫く見て終了とお考えください。
WordPressなどの動的なサイト構築システムはボタン一発でトップページの表示内容を切り替えることができますので、このような機能の利用をおすすめ致します。
特設ページの形態はパララックス形がおすすめ
特設ページの形態としてはパララックスと呼ばれる技法を使用した、写真などイメージ画像主体の縦長のサイトが最近は議員の間でも流行してます。一時の流行ではなく、人物や、商品を特にクローズアップしたいという用途のwebサイトではほぼ定着している手法です。ただしこの視差効果(パララックス)という用語にはこだわる必要はなく、「写真主体でぱっと見てインパクトがあり、縦長でページ遷移せず内容を閲覧出来る形式」という認識でかまいません。当然スマートフォン対応は必須です。
一ページ内にすべてを納める形式であることも、選挙時期の訪問ユーザーの傾向にあっていると考えられます。
どうしても選挙ポスター的な写真は内容が似通ってしまうため、候補者を比較しながらみると、記憶に残らないという面がありますが、このようなサイトを制作する場合、まわりのシチュエーション込みでの写真撮影が行なわれるため、他と差別化しやすい利点があります。
また動画なども組み合わせる例も多く見られます。弊社「議員広報」ホームページサービスでも多数このようなサイトを作成いたしましたが、一例として、下記があります。
以下の2つのページがボタン一発でトップページとして切り替えることができます。
しかし、このパララックスという形式は長期的にはやはり、テキスト主体の検索からの流入に照準を合わせたホームページに劣る面がありますので、上手に使い分けましょう。また、トップページが大きく変わる事に関して、Googleなど検索エンジンへの悪影響は特に認められませんでした。
また提供するなかで気がついた点は、スタジオで撮影したような写真は議員の容姿の善し悪しに大きく左右される面がありますが、このような周りの状況込みの写真は、表情や状況、仕草、ポーズなど良いイメージを伝えるポインとが複数あるため、ビジュアル的な戦略を立て易いのでは無いかと思います。もっと解り易くいうと、見た目に自信がない方でも、「美しい」あるいは「迫力のある」写真が撮れるということです。
デジタル一眼と議員のキャラクターを引き出す熱意さえあれば、プロの写真家ではなくても、十分良い写真はとれると感じておりますので、まわりのスタッフは是非挑戦してください。
また議員の動画などは、普段コンテンツとして公開してもこのような特別のページでなくてはなかなか閲覧されません。写真撮影に合わせて、簡単な動画なども撮影してしまいましょう。
今日、個人情報などの観点から、許可を得ていない他人が写ったものは使用できないとお考えください。対象以外がきれいにボケるレンズ、モードなどの撮影に慣れておくと良いと思います。